くすりの村源

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【毒虫】 [読み]どくむし

症状

一般に大人では症状が軽く、子供で赤く大きくはれ上がります。これには免疫力のメカニズムがあります。
蚊の場合を例にとると、

  生まれて初めて刺された 無症状
  2回目以降 1~2日後から赤く、硬く腫れあがり、時には水疱ができる(Tリンパ球による遅延型反応)
  繰り返しているうちに 刺されてすぐに赤く腫れ(IgE抗体による即時型反応)+上記の症状
  さらに繰り返すうちに 刺されてすぐに赤く腫れ(IgE抗体による即時型反応)まもなく直る
  繰り返し刺されて高齢になると→ 無反応(免疫力低下による)

応急処置

治療はいずれもステロイド外用剤を塗って、早期に炎症をしずめ、痕を最小限にする事につきます。

備考

[血を吸う毒虫]

  1)蚊……… メスだけが吸血。治療は抗ヒスタミン薬内服とステロイド軟膏。問題は「蚊過敏症」で、蚊にさされた後に38~40℃の発熱を伴って、局所に水ぶくれや血まめが出来るようなら医師に診てもらう。
  2)ブヨ…… 小型のハエのような形。1~2日後から赤く、硬く腫れあがり、時には水疱ができます。さらに、痒みが長く続いて痒疹化(大き目の硬いブツブツ)することがあります。医師に診てもらうほうが良いでしょう。
  3)ノミ…… 1~2日後から赤く、硬く腫れあがり、時には水疱ができます。最近はいつまでも痒みが続くネコノミ(猫や犬に寄生)が原因になることが多いので、ペットにも気をつけましょう。
  4)シラミ… 頭ジラミと毛ジラミがあり、「頭ジラミ」は、小学校、幼稚園などで集団発生することがあります。頭髪の中を這い回り、虫卵を髪の毛に産み付けたものが白い点状の粒として見られます。「毛ジラミ」は陰毛に寄生し激しい痒みを伴い、性行為にて感染しますので、成人にみられます。どちらもスミスリンパウダーやスミスリンシャンプーで簡単に治ります。
  5)ダニ…… ネズミが媒介する「イエダニ」、鳥からの「トリサシダニ」、野生動物が媒介する「マダニ」があります。虫体(の口器)が皮膚に強く咬みついているので、無理に除去しようとすると口器が皮膚に残り、切開を要する場合もあります。基本治療は他の毒虫と同様で、坑ヒスタミン薬の内服や、ステロイド剤やクロタミトンの外用を行います。

[刺す毒虫]

  1)毛虫… 接触時の痛みは少なく、数分から数時間後にピリピリ感、強い痒みが生じて、小さな点状の赤いブツブツが寄り集って現われて2週間くらい続きます。セロテープ等で毒針を取り除き、水で洗い、ステロイド外用薬をつけてください。
  2)蜂…… 『蜂に刺された』を参照願います。

[咬みつく毒虫]

  1)蟻……… 噛むと同時に蟻酸をふりかけたり、毒針を持つ蟻もいます。痛みと腫れは激烈なので受診したほうが良いでしょう。
  2)ムカデ… 噛まれると激烈な痛みと腫れがあり、リンパ管炎を起こすこともあります。受診したほうが良いでしょう。

次回のチラシ掲載日までお待ちください(毎月24日)