くすりの村源

あく抜き-山菜、野菜

アクの成分はえぐみの正体である「ホモゲンチジン酸」や「シュウ酸」、苦みのもとになる「アルカロイド」や有機及び無機の「塩類」、渋みを出す「タンニン系物質」などです。これらの中には栄養成分の吸収に影響を与えるものもあります。
食用にされる野菜のアクに有害なものは少ないといわれていますが、一般に料理としてはアクの無い清純な味が好まれます。料理をおいしく、仕上がりを美しくするにはそれぞれの野菜にふさわしい方法でアクを抜くことが必要です。

わらび、ぜんまい、よもぎ等の繊維の多いもの
  繊維の多い野草に重曹のようなアルカリを加えて加熱すると、アクを抜くと同時に硬い繊維を軟らかくします。カップ5杯の水に重曹(別名:炭酸水素ナトリウム)を小さじ1杯加えて煮立てた液(重曹0.2~0.3%)に約1時間浸した後、冷水にさらします。重曹が濃いと型くずれの原因になります。
 
茄子
  大鍋1杯の水に重曹を小さじ1杯溶かした液に浸します。抜いたアクが茄子の戻らないよう、少したったら食塩を少々加えます。
 
ゴボウ、レンコン、ウド
  酢の漂白作用を利用してアクを抜く方法です。皮をむき、酢水にさらします。ゆでる時も熱湯に酢少々を加えます。
 
キュウリ、フキ
  塩をなじませてアクを抜く方法です。手のひらでゴロゴロ転がしながらまな板にすりつけるので「板ずり」と呼ばれます。
フキは鍋に入る長さに切り、マナ板の上で塩をふって、塩をまぶすようにころがしてなじませます。この後熱湯でゆで、きれいにゆで上がったら、冷水に取って皮をむきます。
 
タケノコ
  独特のえぐみを抜くために、たっぷりの水に米ヌカとタカノツメを加えてゆで、ゆで汁に漬けたまま冷まし、水で洗って皮をむきます。米ヌカのかわりに米のとぎ汁でもできます。
 
カリフラワー
  小麦粉を加えた水で丸ごとゆでると白くゆで上がります。ゆで上がったら冷水で洗い、水気を切って切り分けます。また酢水でゆで、そのまま鍋の中で冷ます方法もあります。生で食べる時も酢水に漬けます。
 
ジャガイモ、サツマイモ
  たっぷりの水に素材を泳がせるように浸けることを「水にさらす」といいます。皮をむいたら、すぐ冷水にさらして変色を防ぎます。特にイモ類・栗などデンプン質のものは切ったら水に浸けておきます。
 
ほうれん草、春菊、小松菜、シドケ、タラボ等
  野菜の緑色はクロロフィル(葉緑素)という色素によるもので、長時間加熱を続けると色があせ、褐色のフェオフィチンというものになります。
野菜を、沸騰した湯の中に入れるのは少しでも加熱時間を短くするためです。次に塩をひとつまみ入れておくと、クロロフィルの分子の一部分が食塩の成分であるナトリウムイオンと部分的に置き換えられて、安定なかたちになると同時に酸化酵素の作用を多少ともおさえる効果が期待できます。
 
 
参考:農林水産技術センター Q&A集、他

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