くすりの村源

アンチ・ドーピング

ドーピングとは
  競技力向上の目的で薬物を使うこと。アマチュア競技では厳重に禁止されています。
薬物使用はフェアプレーの精神に反する反社会的行為であり、選手は健康を害して後々苦しみます。
 
どのような試合でドーピング検査をするか
  全ての国際試合。
国内試合でも全国レベルの大会では実施することが多くなってきています。
 
いつ、誰に検査をするのか
  検査は2種類あります。入賞した選手の尿を検査する「競技会検査」と、抜き打ちで宿舎等を訪ねて尿の提出を求め検査する「競技外検査」があります。「競技外検査」はどの選手でも可能性があります。
 
どんな薬がひっかかるのか
  世界アンチドーピング機構が発表したリストに掲載された薬物が該当します。
この中でうっかりドーピングにひっかかりそうな薬物をあげておきます。
 
  ・興奮剤… エフェドリン(麻黄にも含有)、メチルエフェドリン、プソイドエフェドリン、ホミカエキス
  ・蛋白同化剤… テストステロン、メチルテストステロン、海狗腎(カイクジン)、麝香(ジャコウ)、 鹿茸(ロクジョウ)、松脂(ロジン)、鹿鞭(ロクベン)
  ・糖質コルチコイド… 副腎皮質ホルモンの経口・注射・坐剤は禁止。
軟膏・クリーム・点眼・点鼻は事前申告すれば使用が認められます。
  ・β2作用薬… ただし喘息用吸入薬の一部には、大会21日前までに所定の用紙で事前申請すれば 使える薬があります。
 
お茶やコーヒーに含まれるカフェインは大丈夫か
  カフェインは禁止リストから外されていますので今のところは大丈夫です。
しかし、監視対象としてモニターされますので、いずれは禁止薬物に仲間入りしそうです。
 
市販薬で心配な薬は
 
【興奮剤】
  かぜ薬や咳止め薬にはエフェドリン又はメチルエフェドリンが入っているものが多いので気をつけましょう。
  鼻炎薬にはプソイドエフェドリンがはいっていることがあります、気をつけましょう。
  葛根湯や防風通聖散にも麻黄が入っています。漢方薬だからと安心できません。
  うっかり服用してしまったら、大会の1週間前迄に服用を中止します。これで尿には出ません。
【蛋白同化剤】
  ミクロゲンパスタ及びミクロゲンパスタSには蛋白同化剤が入っています。
  救心、ナンパオ、金蛇精にも蛋白同化剤がはいっています。
  強壮ドリンク剤の中には海狗腎、麝香、鹿茸、松脂、鹿鞭がはいっていることがあります。
【糖質コルチコイド(通称:ステロイド)】
  痔の坐剤・軟膏に気をつけましょう。
  医師にかからないでOTCでのステロイド剤使用は避けるようアドバイスしましょう。
  軟膏・クリーム・点眼・点鼻薬は大会21日前までに所定の用紙で事前申請すれば使えます。
 
サプリメントは大丈夫?
  特定保健用食品のように成分が明確にわかるものなら大丈夫ですが、健康食品や各種サプリメントは思いがけない成分が混在していることがありますので、避けたほうが無難です。
特に外国製品は成分が不明であったり、効果をあげるために医薬品類似成分や、それらを含む天然物を配合していることがあります。
アミノ酸サプリメントやビタミンサプリメントも混在する成分が心配です。避けたほうが良いでしょう。
 
 
参考:薬剤師のためのアンチ・ドーピングガイドブック 平成16年7月 日本薬剤師会他

次回のチラシ掲載日までお待ちください(毎月24日)