くすりの村源

ブルセラ症とは

○ブルセラ症とは?
ブルセラ菌による感染症をブルセラ症と呼びます。
地中海地域、西アジア、アフリカ、ラテンアメリカなどに多い感染症で、本来、ヒツジやヤギ、牛、犬等の動物に感染して流産を起こしますが、人間に感染すると別の症状を起こします。
人畜共通感染症をおこす細菌として警戒されている菌の一種です。
ブルセラ菌とは、1887年にイギリスの軍医ディビット・ブルースがマルタ熱(波状熱)の患者から初めて分離したグラム陰性の細菌です。発見者ブルース(Bruce)の名前にちなんでブルセラ(Brucella)菌と命名されました。

●感染経路
感染した牛やヤギの生乳・乳製品からの経口感染と、感染動物の尿や各種分泌液からの接触感染があります。

●症状
潜伏期間は通常1~3週間ですが、数ヶ月におよぶこともあります。
症状は全身的な疼痛感、倦怠感、衰弱、及びうつ状態と、持続的、間欠的、又は不規則な発熱が見られます。熱型は午前中は平熱ないし微熱で、午後から夕方にかけて発熱する(波状熱)のが特徴です。慢性関節リウマチやインフルエンザ、ウイルス性肝炎などに似ています。
症状は軽症で自然治癒する場合もありますが、重症化することもあります。病気の期間は2~3週間から数ヶ月、人によっては1年以上脱力感や易疲労感が続くことがあります。

●治療
疑わしきときはまず医療機関を受診しましょう。ブルセラ症は、感染症法でで「4類感染症」に定められており、診断した医師は直ちに最寄の保健所に届け出る義務があります。
WHO(世界保健機香jはテトラサイクリン(2g/日)6週間連用とストレプトマイシン(1g/日)3週間連用の併用を推奨しています。ドキシサイクリン(200mg/日)とリファンピシン(600-900mg/日)の6週間併用投与も有効です。リファンピシン、ニューキノロン、ST合剤などの併用も有効です。
ブルセラ菌は細胞内寄生菌なので、β-ラクタム剤は無効です。いずれも医師の診断の基づいて、処方せんで投薬されます。

●予防
ほとんどの消毒薬が有効です。ペットとの濃厚接触は避け、流水でのを励行しましょう。
犬や人のワクチンはありません。現在、牛だけワクチンが使われています。なお、犬の場合は感染して2年間は体内に菌が居続け、免疫が成立します。

次回のチラシ掲載日までお待ちください(毎月24日)