くすりの村源

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サプリ豆知識

【セントジョーンズワート】 [読み]せんとじょーずわーと (セイヨウオトギリソウ、ヒペクリムソウ) [英]St. John's wort [学名]Hypericum perforatum L.(オトギリソウ科)

こんな人にお勧め ストレスがたまっている人・イライラしている人・精神的に不安定な人
主な働き 作用メカニズムは下記により、神経伝達物質の量が増加するためと思われます。
成分のヒペルフォリンはシナプスにおけるセロトニンの再取りこみを阻害し、5-HT3、5-HT4セロトニンレセプターに対する拮抗作用を示し、また、GABAやグルタミン酸のシナプトソームによる取りこみを阻害します。
動物実験でヒペリシンはカテコール-O-メチルトランスフェラーゼ(COMT)やモノアミンオキシダーゼ(MAO)を阻害します。
1)軽症~中等庄の抑うつに6週間の摂取で他の抗うつ剤と同等の効果があったとの報告があります。ただし、重症の抑うつには無効です。
2)不安、気分変調、眠気過多、食欲不振、うつ、不眠、精神運動遅滞および他の自覚症状が改善されたとの報告があります。
3)強迫神経症、季節性情動障害に関連する不安・性欲減退・睡眠障害などの症状や、月経前症候群(PMS)(に対し、12週間の摂取で有効な可能性があります。
4)軽度から中等度アトピー性皮膚炎にセイヨウオトギリソウクリーム塗布が有効との報告があります。
5)肝臓保護作用がマウスとラットで実証されています。
おもな成分 セイヨウオトギリソウの有効成分はいくつか分離されており、特に良く調べられているのはヒペリシン(hypericin)とヒペリフォリン(hyperforin)です。他にアドヒペリフォリン(adhyperforin)、シュードヒペリシン(pseudohypericin)、フラボノール類、フラバノール類、テルペン類、精油、タンニン、ニコチン酸、ビタミンCおよびAなどが含まれています。
注意すること ・連続摂取は8週間までは安全らしいといわれています。12歳以下の小児では6週間以下までが安全なようです。
・副作用としては不眠、ありありとした夢、落ち着きのなさ、不安、動揺、いらつき、胃腸の不快感、疲労感、口渇、めまい、頭痛、皮膚のかゆみ、錯覚、遅延性過敏反応など。うつの患者では軽い躁状態や、二極性の患者では躁状態が誘導されることがあります。不眠が最も良く見られる副作用ですが、これは摂取量を減らすと軽減されます。
・子宮筋肉を緊張させるため、妊婦の摂取は避けたほうが良いでしょう。。また授乳中の摂取は、乳児が疝痛、嗜眠状態(うとうとすること)、無気力や昏睡に陥る危険があるため避けるべきです。
・アルツハイマー症、二極性障害、抑うつ、統合失調症の患者において、また麻酔下ではセイヨウオトギリソウ摂取が影響を与えることがあります。
一般に使用されている三環系抗うつ剤などの薬剤と比較して副作用は少なく、プロザックなどのSSRIとは同等か、副作用がやや少ないと思われます。
・色白の方では光過敏症を発症することがあります。
医薬品との相互作用 ・セイヨウオトギリソウは薬物代謝酵素であるチトクローム(Cytochrome)P450を誘導するため、 多くの薬剤との相互作用が知られています。
・日本では2000年5月、厚生省がセイヨウオトギリソウと医薬品との相互作用について医薬品等安全性情報で注意喚起を行っっています。薬物代謝酵素[チトクローム(Cytochrome)P450、特にサブタイプであるCYP3A4及びCYP1A2]が誘導され、インジナビル(抗HIV薬)、ジゴキシン(強心薬)、シクロスポリン(免疫抑制薬)、テオフィリン(気管支拡張薬)、ワルファリン(血液凝固防止薬)、経口避妊薬の効果が減少する可能性があります(厚生省ホームページより抜粋)。
・臨床検査において、プロトロンビン時間(血液凝固時間)、甲状腺刺激ホルモンなどの値に影響を与えることがある(64)。
・薬物代謝酵素[チトクローム(Cytochrome)P450、特にサブタイプであるCYP3A4及びCYP1A2)]が誘導され、インジナビル(抗HIV薬)、ジゴキシン(強心薬)、シクロスポリン(免疫抑制薬)、テオフィリン(気管支拡張薬)、ワルファリン(血液凝固防止薬)、経口避妊薬などの薬の効果が減少する可能性がある。
・セロトニン様作用のあるハーブやジギタリス、チラミン含有食品との相互作用が知られている。
・アルツハイマー症、二極性障害、抑うつ、統合失調症の患者において、また麻酔下ではセイヨウオトギリソウ摂取が影響を与えることがある。
豆知識 セイヨウオトギリソウはヨーロッパ原産で、アジア、北アフリカに分布する多年草で30-90cmの高さになります。セントジョーンズワートという名前はイエス・キリストに洗礼を施したバプテスマの聖ヨハネに由来するといわれています。中国語名は「貫葉連翹」です。
古くからヨーロッパでは心の暗やみを照らすものとして「サンシャインハーブ」と呼ばれていました。ドイツのコミッションE(ドイツの薬用植物の評価委員会)は、うつ状態に対する使用を承認していました。

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