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症状
頭部外傷の徴候と症状には、すぐに表れるものと数時間掛けてゆっくり進行するものとがあります。
子供が頭部をぶつけても、すぐに走って遊び始めるようであれば、深刻な外傷はないと見てよいでしょう。しかし、数日間は注意深く観察してください。頭部外傷の中には症状が遅れて現れるものがあるからです。
意識障害は脳損傷の程度を示す重要な症状です。
いつもと様子が違う、ぼんやりしている、同じことを何回も繰り返して喋っている、このような状態は、直ちに医療機関での精密検査が必要です。
呼んでも目を覚まさない、目を覚ましても直ぐに寝てしまう、つねっても叩いても目を覚まさない、このような意識障害は一刻を争う緊急事態です。
この意識障害の他、激しい頭痛、吐き気、嘔吐、けいれん、ひきつけ、運動麻痺、シビレが有るか無いかを観察して下さい。
これらの症状がある時は、すでに脳が重大な状態に陥っているか、またはこれから重傷頭部外傷へ進展する可能性を示唆する重要な症状です。
眼の観察も非常に大切です。白目をむいて同じ方向を向いている、眼球が振り子のように大きく不規則に揺れている、眼球が小刻みに震えている、瞳孔の大きさが左右違う、瞳孔が開いている、これらの症状は脳内に重大な変化が起きている証拠です。
鼻出血、耳出血、鼻汁(脳脊髄液の漏れ)などがある時には頭蓋低骨折が疑われます。
以上のような症状(状態)の時には直ちに脳神経外科のある医療機関に搬送して下さい。搬送に際しては頚椎、頚髄の損傷も考慮して、頚部を無理に屈曲、捻転しないよう厳重な注意が必要です。
また、意識障害がある時は舌根沈下や吐物による窒息があります。呼吸が楽にできる体位をとらせて、吐物は直ぐに取り出し、気道の確保を万全にして下さい。
危険性
頭蓋骨骨折、頭蓋内出血・血腫など重篤な疾患の可能性があります。慎重に対処しましょう。
応急処置
頭部を強く打った… | 意識がハッキリしているか確認する。(呼びかけて反応するか、瞳孔が開いてないか、 つねるなどの痛みに反応するか、など) ※体をゆするのは禁物!! |
・ | 意識ハッキリしている | → | 出血している傷などはタオル等で出血部を強く縛り止血する。 あとから吐き気や頭痛などの症状が現れたら、必ず脳神経外科の受診を。 |
※ | 頭部を強打した時は症状がなくても念のために受診した方がよい。 | ||
・ | 意識ハッキリしない | → | 傷がある時には止血し、右を下にして横向きに寝かせ安静にして救急車を待つ。(決してうつぶせにしない) 必要に応じて人工呼吸、心臓マッサージを。 |
※ | 外傷が無くても3日間位は安静に。2才位までの幼児や高齢者は症状が出るのが遅れるので、1週間位は様子を見る。 |
((頭のこぶ))……………… | ぬれタオルで冷やす。それほど心配は無い。 |
((頭部の皮膚が切れた))… | 頭部から出血した時、見た目にも痛々しくビックリしますが、清潔なガーゼやタオルで圧迫しつつ病院へ。 |