くすりの村源

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【急性アルコール中毒】 [読み]きゅうせいあるこーるちゅうどく

症状

短時間に大量のお酒を飲み、泥酔状態になることを言います。
これはアルコールによって脳が麻痺した状態で、飲んだ酒の量と血液中のアルコール濃度に応じて症状が進行します。

血中アルコール濃度
症 状
酩 酊…0.1-0.2%
足がふらつく
何度も同じことを言う
吐き気がする
記憶が途切れる
泥 酔…0.2-0.3%
意識が朦朧
激しい嘔吐
立てなくなる
言葉が支離滅裂
昏 睡…0.3-0.4%
ゆすっても呼んでも反応しない
酔いつぶれたまま吐いている

危険性

血中アルコール濃度
危険性
酩 酊…0.1-0.2%
バランス感覚が麻痺して転落などの事故を起こす
喧嘩などのトラブルを起こす
泥 酔…0.2-0.3%
嘔吐物が喉に詰まり窒息
電車や車にひかれる
眠り込んで凍死
昏 睡…0.3-0.4%
脳幹と脊髄が麻痺し、死の危険があります
脳障害で植物状態になることもあります
ためらわずに救急車を呼びましょう!

原因

短時間に大量に飲んだとき。
イッキ飲みは特に危険。

応急処置

1. 呼吸の仕方が短く不規則で、体温が低下しているときや意識が無い、脈が無いという場合はすぐに救急車を呼び、到着まで人工呼吸と心臓マッサージをする。
2. 意識がある場合は、衣服を緩めて、楽な姿勢で寝かせる。
3. 吐き気がある場合は、顔を横向きにして吐かせ、吐寫物は取り除く。
4. 酔いがさめて落ち着いてきたら、水やお茶などを少しずつ飲ませる。急速に体温が下がり始めるので、保温に注意する

〔点滴が必要なので意識があっても救急車を呼んでください。〕

酔いつぶれた人の介護方法

  絶対に一人にしない
  衣服を緩めて楽にする
 
体温の低下を防ぐ… 低体温になるので、寒い場所や屋外に放置すると死につながる
  吐物による窒息を防ぐために横向きに寝かせる
  吐きそうになったら抱き起こさずに、横向きの状態で吐かせる

備考

血中アルコール濃度が0.4%を超えた場合、1~2時間で約半数が死亡します。
急性アルコール中毒患者の45%は20代の若者で、2/3が男性、1/3が女性です。
急性アルコール中毒の発生は、「お酒に強い体質」と「お酒に弱い体質」とは関係がありません。
あくまでも血中のアルコール濃度、つまり飲んだアルコールの量に比例し、誰でもが陥る急性中毒です。

通常、飲酒を始めてから血中アルコール濃度がピークに達するには飲酒後30~60分の時間がかかります。しかし、短時間で大量の酒を飲むと、酔っているという自覚なしに危険な量のアルコールを摂取してしまうことがあります。
この場合、「ほろ酔い期」「酩酊期」を飛び越えて一気に「泥酔期」や「昏睡期」に到達してしまいます。
飲み始めてから1時間以内に泥酔状態になった場合、及び酒量として、1時間に日本酒で1升、ビールで10本、ウイスキーでボトル1本程度飲んだ場合は急性アルコール中毒を疑い(生命にかかわる危険があるので)すぐに救急車を呼ぶべきです。

アルコールの代謝には「水」が必要なので、点滴で急速に水を補給します。

次回のチラシ掲載日までお待ちください(毎月24日)