くすりの村源

登録番号 T7400001001545

サプリ豆知識

【α-リポ酸(α-lipoic acid略称ALA)】 [読み]あるふぁりぽさん (別名 チオクト酸Thioctic acid) 1.2-Dithiolane‐3-pentanoic acid

1.生理作用 チオクト酸は生体内の諸臓器に広く分布しており,焦性ブドウ酸(ピルビン酸)及びα-ケトグルタール酸の酸化的脱炭酸反応に補酵素として重要な役割を果たしている。
 作用機序は糖質代謝ばかりでなく,脂肪,蛋白代謝にも関係し,その生理的意義は大きい。
2.薬理作用 1)肝代謝賦活作用 2)解毒作用 3)脳・心筋代謝賦活作用 4)その他 生理作用からも明らかな作用であるが,焦性ブドウ酸の酸化促進のみならず広範な代謝過程の関与により,肝代謝が賦活すると考えられている。
肝グリコーゲン増加作用,抗脂肝作用も認められている。


本剤の構造中の-S‐S-結合は体内でSH基に還元され,重金属等の毒物に対し,解毒作用を示す。

脳組織の代謝を促進し自覚症状の改善,昏睡覚醒作用を示す。また,焦性ブドウ酸の酸化異常のある心疾患において心筋代謝を改善する。

利尿作用,血中コレステロール低下作用,胆汁分泌促進作用等が報告されている。
3.吸収 経口投与により急速に腸管より吸収される。ヒトに10mg経口投与したところ,血中濃度は30分で投与前の6倍(約67mγ/ml)に上昇した。また,S35を用いた実験では,チオクト酸アミドは体内でチオクト酸に転換されることが示された。
4.薬効薬理(動物実験) 1.運動負荷による生理的機能の低下に対する作用1)2):ラットに運動負荷することにより,蛋白結合型チオクト酸の代謝回転が亢進し,運動時にチオクト酸の要求性が増加することが認められている.
また,そのチオクト酸を投与することにより,運動負荷ラットにみられる血中ピルビン酸,β-ヒドロキシ酪酸レベルの上昇が抑制され,運動負荷ウサギ及びその血漿を静注したウサギにみられる網内系機能の低下が防止されることが認められている.
2.脳の糖代謝及び脳浮腫に対する作用:モルモットの脳切片を用いるin vitroの実験で,チオクト酸を添加すると好気的解糖の増加が認められ,また,チオクト酸投与によりヒトの脳循環における酸素消費の促進が認められている.
また,チオクト酸の事前又は事後投与により,ウサギの実験的脳浮腫に対し,浮腫の予防又は治療効果が認められている.
3.内耳の中毒性・騒音性代謝障害に対する作用:ジヒドロストレプトマイシン,カナマイシンの投与,音響刺激によるモルモット内耳の酸素消費量の低下は,チオクト酸の事前投与あるいは併用投与により抑制されることが認められている.

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