くすりの村源

ミョウバン浴

ミョウバンとは
  一般にミョウバン、またはカリミョウバンと呼ばれるものは、正式名には硫酸カリウムアルミニウム12水和物(AIK(SO_)_・12H_O)という無色の固体で、生ミョウバンとも呼ばれます。これを加熱脱水した無水物(AlK(SO4)2)は、焼きミョウバンと呼ばれます。したがっていわゆるミョウバンと焼きミョウバンは同じ作用を示します。
カリミョウバンはK_とAl_の組み合せの塩ですが、他に、黒紫色のクロムミョウバン(K_とCr_の組み合せ)、淡紫色の鉄ミョウバン(NH4+とFe3+の組み合せ)などがあり、全く別の用途に使われています。
 
ミョウバンの性質と用途
 
水に溶けると弱酸性の溶液になります。これが殺菌効果を示します。
濁った水に加えると、汚濁物質を沈殿させます。水の浄化剤として利用されます。
茄子の漬物にいれると皮の色素アントシアニンにミョウバンのアルミニウムが結合して変色を防ぎます。
収斂作用があるので制汗剤として使われます。
甘露煮などを作る際に、煮崩れを防ぎます。ウニ(雲丹)の加工時の型崩れ防止・保存のための添加物としても使用されます。ミョウバンが細胞膜と結合して不溶化する性質を応用したものです。
 
ミョウバン原液、ミョウバン浴
  [ミョウバン原液の作り方]
 
    ミョウバン、容器(空いたペットボトルなど)
 
(1) 容器に水道水1.5Lを入れ、ミョウバン(焼ミョウバンなら50g、生ミョウバンなら75g)を加えます。
(2) よく振って混ぜます。焼ミョウバンは水に溶けにくいので、初めは粒が溶け残り、液が白く濁りますが、2~3日置いておくとミョウバンが溶けてきて、液が透明になります。
ミョウバンが溶けてきたら、出来上がりです。
2~3日置いてもミョウバンが溶けなければ水を少し加えて下さい。あるいは、ほうろう引きの鍋で加熱して溶かし、冷めてからペットボトルなどに移しても良いでしょう。
保存は冷蔵庫で1ヶ月程度まで。
  [ミョウバン浴-アトピ-性皮膚炎やあせもに]
 
  お風呂の湯(標準は200L)にミョウバン原液を20~50ml(ペットボトルのキャップで5~6杯)加えて、入浴します。(浴槽に直接、生ミョウバン若しくは焼ミョウバンをひとつまみ入れても良い。)
この位で入浴してみて、翌日までに何の効果もなければ、ミョウバン原液の量を200ml位まで少しずつ増やして見ると良いでしょう。
但し、あまりたくさん入れてお湯が酸性になりすぎると、 金属を腐食させることがあります。
浴槽内の熱交換器は、ステンレス製の物が多いので、注意して下さい。
ちなみにミョウバン浴の残り湯で洗濯をしても不都合はありません。
  [ワギガのにおい消し]
 
  ミョウバン原液をガーゼに浸して、腋の皮膚を拭いたり、又は、スプレー器に入れ、直接皮膚にスプレーします。皮膚にスプレーされた水は蒸発してミョウバンが残り、皮膚も弱酸性に保たれます。
ニオイは皮膚表面の雑菌が汗の成分を分解することで発生します。皮膚が酸性であれば、雑菌の繁殖が抑制され、結果的に臭いが抑えられます。
ミョウバンにはさまざまな金属が含まれていますから酸化還元反応による金属消臭が行われたり、ニオイ成分の中和による消臭も行われているようです。
なお、レモン汁を加えるとより酸性になりますので消臭効果は高くなり、香りも良くなります。
  [水虫]
 
  洗面器にお湯を入れ、その中にコップに半分の原液を入れます。
その原液に3~5分間足を浸します。

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