くすりの村源

下痢と便秘を繰り返す症状に

潰瘍やガンなどがないのに、腹痛と便秘や下痢が起こる病気の多くは過敏性腸症候群とよばれています。
腸の炎症がないのに、運動および分泌機能の異常で起こる病気の総称で、ストレスや自律神経機能が影響しているようです。
症状は主に便通異常です。そのあらわれ方によって、不安定型、慢性下痢型、分泌型の3型に分けられます。
不安定型は腹痛、腹部の不快な感じがあり、下痢が数日続いたと思うと、今度は便秘が数日間持続するといった状態を繰り返します。交代性便通異常とも呼ばれ、この型の便秘は別名『けいれん性便秘』と呼び、おなかが張って苦しく、トイレに行きたいが出ないという厄介な便秘です。また、出るときはウサギの糞のようなコロコロした小さな便の出るのが特徴です。
慢性下痢型は、ちょっと神経を使ってもすぐトイレに行きたくなり、軟便や水様便になるので神経性下痢とも呼ばれます。下痢は長期間にわたって起こりやすく、重症の人はいつどこで便意を催すかもわからないので、トイレのついていな い快速電車には不安で乗れないし、会社に出勤する途中でも数回、トイレに行かなければならないという人がいます。休日など家でのんびりしているときは、排便も正常に戻っていることが多く、また下痢をするにもかかわらず、栄養が衰えないで、やせてこないことが特徴です。
分泌型は、強い腹痛に続いて大量の粘液を出すもので、粘液疝痛とも呼ばれます。日本人の場合はそれほど多く ないが、粘液は膜状、ひも状などを示し、寄生虫が出たと訴える人もいます。
過敏性腸症候群の治療でもっとも大切なのは精神的療法です。精神的、肉体的な過労を避けること、とくに精神面の安静をはかることが大切です。「規則正しい生活を送り、正常な便通習慣を取り戻す」「スポーツや趣味などでストレスを発散、コントロールする」ことに心がけることです。
食事は三食規則正しく食べるようにしましょう。便秘型の人は、食物繊維を多く含む野菜や果物(ゴボウ、セロリ、ニンジン、リンゴなど)を多くとるようにしましょう。
薬は鎮痛薬、消化器運動機能改善薬、精神安定剤、漢方薬などが処方されますが、一時的な症状緩和にしかなりません。

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