くすりの村源

乗物酔い-眠くならない

乗り物酔いの原因は、体の平衡感覚が乗り物のスピードや上下の動きに追いつけないために、感覚が混乱し、脳の自律神経が乱されるためにおこります。
つまり、一時的な自律神経失調症状態です。

 
主な症状
 
a. 生ツバや生あくびが出る
b. 顔面蒼白
c. 動悸
d. 嘔吐
 
予防
 
(1) 前日には十分に睡眠をとり、体調を整える(寝不足は乗り物酔いのもと)
(2) 二日酔いは大敵
(3) 胃に長く残る食べ物は避ける(豚カツ、てんぷらなど)
(4) 揺れの少ない席に座る(バス:前方、船:中央、飛行機:主翼の近く)
(5) ゆったりした衣服を着る、ベルトはゆるめる
(6) 本などを読まないで、遠くの景色を見る
(7) 乗る30分前に「乗り物酔い予防薬」を飲む
 
乗り物酔い薬
 
いつ飲むの?
乗る30分前に服用するのが最良です。薬が効くのにそのくらい時間がかかるからです。
乗り物酔いが始まってからでは効果が弱くなりますので、できるだけ早く、生あくびや生つばの段階で服用しましょう。
なぜ眠くなるの?
ほとんどの乗り物酔い薬の主成分は中枢神経の|嘔吐中枢の働きを抑制して吐き気を止める「抗ヒスタミン薬」です。抗ヒスタミン薬は眠気を催す副作用がありますので、乗り物酔い薬を飲むと眠くなります。
眠くならない薬は?
眠くならない乗り物酔い薬は抗コリン薬が主成分になっています。抗コリン薬は自律神経の働きを抑制しますので、自律神経の過敏症状(吐き気、嘔吐など)に効きます。鎮静作用もありますので幾分かは眠くなります。
副作用は?
前立腺肥大症の方では尿がひどく出にくくなることがあります。緑内障の方も症状が悪化することがあります。心臓病のある方では不整脈がでるかもしれないので、おすすめできません。
 
  「眠くならない」と標榜する乗り物酔い薬の例
 
 
 
 
商品名
トラベルミンファミリー
2錠中
タケダ乗り物酔い止め
2錠中
ボード(内服液)
10ml
センパア内服液
20ml
こどもセンパア液
20ml


塩酸メクリジン
25mg
25mg
25mg
12.5mg
臭化水素酸スコポラミン
0.16mg
0.25mg
0.22mg
0.1mg
0.08mg
クエン酸カフェイン
80mg
塩酸ピリドキシン
20mg
テオフィリン
20mg
15mg
 
  [成分の作用]
 
塩酸メクリジン… 嘔吐中枢への刺激伝達を遮断し、めまい・吐き気をおさえます。
臭化水素酸スコポラミン… 自律神経の興奮状態を緩和し、めまい・吐き気をおさえます。
塩酸ピリドキシン… 吐き気やめまいに効果を示します。
クエン酸カフェイン… 眠気を予防し、頭痛を緩和します。
テオフィリン… 嘔吐中枢への刺激伝達がおこらないようにし、吐き気をおさえます。
 
 
妊婦・授乳婦は?
酔い止め薬の成分はいずれも妊婦・授乳婦への安全性が確立していません。できれば以下の民間療法をお試しください。
 
薬を飲めない方に-民間療法
 
ツボを刺激する。手のひらを上に向け、手のひらと手首の間にある皺から約3センチ(大人の指で約1本半)ひじ側に移動したところに内関(ナイカン)という自律神経の働きを整えるツボがあります。
梅干を口に含む、又は梅干をヘソにあてておく。
スルメの焼かないものを小さく切って、噛みながら汁を吸い続ける。
生の生姜を絞った汁に熱湯を注いで飲む。

次回のチラシ掲載日までお待ちください(毎月24日)