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ニオイとは |
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ニオイは化学物質です。通常はいくつかの揮発性の化学物質が混合して浮遊しています。 |
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一般的に臭いを消すあるいは緩和するには4つの方法があるとされています。 |
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方 法
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説 明
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よく利用される芳香・消臭成分
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感覚的方法 |
香料や精油等の芳香作用、マスキング作用、中和作用などを利用して、感覚的に臭気を軽減・緩和 |
香料、植物精油など |
化学的方法 |
中和反応や酸化還元反応などの各種化学反応を利用して、化学的に臭気を除去・緩和する |
植物抽出物、有機酸、界面活性剤、安定化二酸化塩素など |
物理的方法 |
多孔質物質や溶剤などによる吸着、吸収、被覆作用などを利用して、物理的に臭気を除去・緩和 |
活性炭、無機多孔質、包接化合物、有機溶剤、界面活性剤など |
生物的方法 |
微生物で有機物を分解したり、薬剤の防腐・殺菌作用を使い細菌による腐敗を防ぐことなどを利用して、生物的に臭気を除去・緩和する |
殺菌剤、抗菌剤、活性汚泥など |
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これらを応用して下記の製品が販売されています。 |
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芳香剤 |
空間に芳香を付与するもの |
トイレ、部屋等いろいろな場所に使用されますが、必要以上に使用することは避けましょう。 使用されているパラジクロロベンゼンは厚労省から室内空気中化学物質の室内濃度指針値が示されています。濃度が指針値(0.04ppm/m3)を超えないように使用方法に気を付け、忘れずに換気しましょう。 |
防臭剤 |
他の物質を添加して臭気の発生や発散を防ぐもの |
消臭剤 |
臭気を化学的、生物的作用等で除去又は 緩和するもの |
天然抽出物や緑茶等、種類は豊富で、ニオイの元の成分とこれらの物質を反応させることで 消臭効果を示します。 また、微生物で有機物を分解したり、防腐・殺菌作用により腐敗を防ぐことで消臭効果を表すものもあります。 |
脱臭剤 |
臭気を物理的作用で除去又は緩和するもの |
活性炭を主成分とするものと、植物抽出物を主成分とするものがあります。 活性炭はニオイを吸着させることで脱臭作用を示し、植物抽出物等を使用している場合は、化学反応によりニオイを分解しています。 |
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身近なニオイ対策 |
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[口臭] |
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口臭の大部分は、口の中の食べカスが原因です。食後の歯磨きやうがいなどの口腔ケアでニオイの大半は防げます。抗菌作用のあるうがい薬も有効です。 その他に、疾患が原因の口臭があります。これは病気そのものを直さないと解決しません。 |
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虫歯………………… |
温泉のような独特な硫黄のニオイ |
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気管支や肺の病気… |
腐った肉のようなニオイ |
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胃腸の病気………… |
卵の腐ったようなニオイ |
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糖尿病……………… |
甘酸っぱいニオイ(アセトン臭) |
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腎不全や尿毒症…… |
アンモニア臭 |
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[加齢臭] |
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加齢臭の原因物質と発生メカニズムは1999年、資生堂と高砂香料工業の共同研究で明らかになりました。その正体が皮脂成分の分解・酸化物「ノネナール」です。 ビタミンCやE、カロチン、ポリフェノール(赤ワイン)やカテキン(緑茶)、イソフラボン(大豆)、セサミノール(ゴマ)などの活性酸素を鎮める食べ物や抗酸化物質を摂れば、加齢臭をある程度防ぐことができます。 もちろん、シャワーや入浴により、石鹸洗浄し、肌着を洗濯することは最良の方法です。 |
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身近な消臭・脱臭剤 |
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[炭、活性炭] |
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炭は昔からの消臭剤です。炭の得意分野は、オナラや便のニオイの成分(メチルメルカプタンや硫化水素などの酸性のニオイ)、汗や体臭の成分です。逆に、尿が分解されたアンモニア(アルカリ性)のニオイは、あまり吸収しません。 2か月おきぐらいに太陽と風にあてれば、ずっと使えます。 |
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[重曹] |
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重曹は水に溶かすとアルカリ性になります。体臭や、生ゴミや冷蔵庫、排水溝といった場所に発生する臭いは酸性のものが多いため、重曹のアルカリと化学反応して中和します。 重曹を直接ふりかけるか、水に溶かしてスプレーしましょう。また重曹液で身体をふくのも良いようです。 |
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[緑茶] |
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緑茶抽出物にはたくさんのポリフェノール(カテキン類、フラボノイド類)が含まれています。 ポリフェノールは、硫化水素やアミン類などの臭い成分(オナラや糞便)と結合したり、フラボノイドの場合には、分子中の水酸基がアミン類のアミノ基と化学反応をして消臭します。 さらに緑茶はこのような化学反応による消臭効果だけでなく、ポリフェノールの活性炭のような微細構造がニオイ成分を吸着して消臭します。 その上に、緑茶は抗菌、抗酸化作用があり、雑菌の繁殖を抑えています。 飲み終えた茶殻は捨てずに、煮出し汁で汚れを洗い、乾燥させた茶殻をニオイの吸着剤として使いましょう。 |
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[ココア] |
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飲み続けていると糞便のニオイがやわらぎます。これはココアの食物繊維成分「リグニン」の働きによるものです。 まず第一は、腸内で善玉菌を活性化してニオイ成分の産生を抑えることです。 第二に産生されたニオイ成分をすみやかに排出します。 食物繊維は、腸管の蠕動運動を亢進しますから、食物が腸内で停滞して、ニオイ成分に分解される時間を短縮して便臭を軽減します。その上、腸内で生成されたニオイ成分を吸収して、便とともに腸内から排出します。 ニオイ成分は、揮発することで空気中を浮遊して鼻粘膜に付着して臭うのです。ニオイ成分が便の構成物である食物繊維の中にトラップされたまま排便されたなら、便も臭くないといえます。 |
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