食物繊維について
食物繊維は学名ダイエタリ-ファイバーDietary fiberといい、「ヒトの消化酵素で消化されない食物中の難消化性成分の総体」として定義されています。
体の構成成分やエネルギー源にならないことから、以前は役にたたない食物成分と考えられていましたが、現在では様々な有用性が明らかにされ、5大栄養素(糖質、タンパク質、脂質、ビタミン、ミネラル)に続く、6番目の栄養素として重要視されています。
食物繊維は水溶性と不溶性に大別され、体内での作用はそれぞれ異なります。
水溶性食物繊維は俗に「コレステロールの吸収を抑制する」、「ブドウ糖の吸収を穏やかにする」などといわれています。
不溶性食物繊維は「便のかさを増やす」、「腸内環境を改善する」などといわれています。
 |
含まれる部位
|
名 称
|
多く含む食品
|
(1)不溶性食物繊維 |
植物の細胞壁構成成分 |
セルロース |
穀類、豆類、小麦フスマ、野菜 |
ヘミセルロース |
穀類、豆類、小麦フスマ |
ペクチン(不溶性) |
未熟な果物、野菜 |
リグニン |
ココア、豆類、小麦フスマ |
イヌリン |
ごぼう |
甲殻類の殻構成成分 |
キチン |
エビ、カニの殻 |
(2)水溶性食物繊維 |
植物の細胞質構成成分 |
ペクチン(水溶性) |
熟した果物 |
植物ガム(ガラクトマンナン、など) |
樹皮、果樹 |
粘質物(グルコマンナン、など) |
食物の種子・葉・根など |
海藻多糖類(アルギン酸、ラミナリン、フコイダン) |
海藻 |
(3)食品添加物 |
化学修飾多糖類 |
|
化学合成多糖類 |
|
|
 |
※ |
ペクチンは、細胞壁にあるものは不溶性タイプで、細胞質にあるものは水溶性タイプです。 |
|
 |
|
|
性 別
|
男 性
|
女 性
|
年齢(歳) |
目安量
|
現在の 摂取量 (中央値)
|
目標量
|
目安量
|
現在の 摂取量 (中央値)
|
目標量
|
18~29 |
27
|
11.3
|
20
|
21
|
12.2
|
17
|
30~49 |
26
|
12.7
|
20
|
20
|
12.8
|
17
|
50~69 |
24
|
16.1
|
20
|
19
|
15.9
|
18
|
70以上 |
19
|
14.5
|
17
|
15
|
14.7
|
15
|
|
|
|
 |
|
(1) |
目安量は「ある性・年齢階級に属する人々が、良好な栄養状態を維持するのに十分な量である。」と定義されています。食物繊維では、「エネルギー摂取量1000kcalに対する食物線維摂取量を10g」とし算出されています。 |
(2) |
現在の摂取量(中央値)は平成13年国民栄養調査から得られた摂取量の中央値です。 |
(3) |
目標量は「生活習慣病の一次予防のために現在の日本人が当面の目標とすべき摂取量(または、その範囲)である。」と定義されています。食物線維では、「目安量が現在の摂取量(平均値)に比べかなり多く、目安量の実行は現状困難である。」ということから、設定されています。 |
|